项目标书摘要:各項目の進捗状況を以下にまとめる。①工業用純鉄の浸窒時効処理と繰り返し変形によるき裂形成:浸窒時効処理によりγ′窒化物(外層)とα′′-Fe16N2+窒素α′(内層)の2層からなる厚さ30 μmの硬化層が形成した。微粒子ピーニング前処理材ではその2層に加え、再表面にε窒化物の層からなる50 μmの硬化層が形成した。その結果、硬さと伸びともに増大した。②低合金鋼の浸窒時効処理と繰り返し変形によるき裂形成:SCM420鋼の浸炭窒化後のサブゼロ処理の効果を明らかにした。すなわり、残留オーステナイトの形態と安定性が、その体積分率よりも重要な役割を果たすことを示した。また、SCM440鋼に浸窒時効処理を施し、ε窒化物(外層)とα′′+窒素α′(内層)の2層からなる厚さ30 μmの硬化層が形成し、変形時のき裂形成起点はともに硬化層の表面であることを確認した。③高圧水素ガス焼入れした低合金鋼の表面硬化層と転がり摩耗への影響:SCM420鋼浸炭材を用いて高圧水素ガス焼入れと油焼入れの比較検討を実施して、有効な表面硬さが得られることを明らかにした。④低合金鋼浸窒処理材の転動疲労特性とき裂形成:SCM420鋼浸炭窒化焼入れ材およびSCM440浸窒焼き入れ材を準備し、ローラーピッチング試験を実施した。耐ピッチング・耐疲労強度に優れる表面硬化部材の開発では、表面硬化層の組織制御による耐き裂形成能向上がその鍵を握っている。本研究では浸窒処理に注目し、その熱処理組織の解析と組織制御による強度特性との関係を実験的に検証して明確化する。そして、浸窒処理材の疲労き裂形成過程について、浸炭焼入れ処理材や窒化処理材と比較して検証する。具体的には、以下の4項目から実験的に明らかにする。項目①工業用純鉄の浸窒時効処理と繰り返し変形によるき裂形成:工業用純鉄を用い、浸窒時効処理により形成するε化合物/γ′化合物/α+α’表面硬化層の変形能と耐き裂形成能を明らかにする。項目②低合金鋼の浸窒時効処理と繰り返し変形によるき裂形成:素地を強化した低合金鋼に浸窒時効処理を施し、疲労き裂伝播挙動について明らかにする。項目③高圧水素ガス焼入れした低合金鋼の表面硬化層と転がり摩耗への影響:浸窒時効処理への高圧水素ガス焼入れの導入可能性を検討する。項目④低合金鋼浸窒処理材の転動疲労特性とき裂形成:低合金鋼浸窒処理材の転動疲労特性について検討する。本年度は、項目①について基本的な実験結果が得られた。項目②では、SCM420鋼浸炭窒化処理およびSCM440鋼浸窒時効処理による組織形成について理解を進めた。項目③では、SCM420浸炭鋼の高圧水素ガス焼入れに成功し、同材の転がり摩耗特性について比較検討を進めている。項目④では、比較材であるSCM420鋼浸炭窒化焼入れ材およびSCM440浸窒焼き入れ材のローラーピッチング試験を実施した。しかし、SCM420鋼浸窒処理材では、ローラーピッチング試験片の熱処理条件を得るに至っていない。各項目の方策を以下にまとめる。①工業用純鉄の浸窒時効処理と繰り返し変形によるき裂形成:成果取りまとめに向けて実験結果の整理を行う。②低合金鋼の浸窒時効処理と繰り返し変形によるき裂形成:SCM420鋼浸炭材に窒化と高周波加熱焼入れ処理を施して、表面に高窒素含有Fe3N層とアシキュラーマルテンサイトを形成させ、硬質窒化物層の形成と高い圧縮残留応力の導入による疲労強度を評価する。さらに、SCM440鋼の高温窒化と高温窒化中のセメンタイト形成に対する焼入焼戻し前処理の影響を検討し、表面で炭素の濃縮とセメンタイト層の形成による窒素拡散の障壁として働きを検証する。③高圧水素ガス焼入れした低合金鋼の表面硬化層と転がり摩耗への影響:SCM420鋼浸炭・高圧水素ガス焼入れ材と油焼入れ材の転がり摩耗特性について比較検討を行う。④低合金鋼浸窒処理材の転動疲労特性とき裂形成:SCM420鋼浸窒処理材のローラーピッチング試験に向けて、十分な硬さプロファイルを得られるかどうか、熱処理条件の検証を進める。Reason:各項目の進捗状況を以下にまとめる。①工業用純鉄の浸窒時効処理と繰り返し変形によるき裂形成:浸窒時効処理によりγ′窒化物(外層)とα′′-Fe16N2+窒素α′(内層)の2層からなる厚さ30 μmの硬化層が形成した。微粒子ピーニング前処理材ではその2層に加え、再表面にε窒化物の層からなる50 μmの硬化層が形成した。その結果、硬さと伸びともに増大した。②低合金鋼の浸窒時効処理と繰り返し変形によるき裂形成:SCM420鋼の浸炭窒化後のサブゼロ処理の効果を明らかにした。すなわり、残留オーステナイトの形態と安定性が、その体積分率よりも重要な役割を果たすことを示した。また、SCM440鋼に浸窒時効処理を施し、ε窒化物(外層)とα′′+窒素α′(内層)の2層からなる厚さ30 μmの硬化層が形成し、変形時のき裂形成起点はともに硬化層の表面であることを確認した。③高圧水素ガス焼入れした低合金鋼の表面硬化層と転がり摩耗への影響:SCM420鋼浸炭材を用いて高圧水素ガス焼入れと油焼入れの比較検討を実施して、有効な表面硬さが得られることを明らかにした。④低合金鋼浸窒処理材の転動疲労特性とき裂形成:SCM420鋼浸炭窒化焼入れ材およびSCM440浸窒焼き入れ材を準備し、ローラーピッチング試験を実施した。Outline of Research at the Start:耐ピッチング・耐疲労強度に優れる表面硬化部材の開発が必須な状況にあるが、環境負荷低減をもたらす新規の熱処理加工プロセスにおいて、如何に表面硬化層の組織制御を行って耐き裂形成能を高めるかがその鍵を握っている。本研究では、浸窒処理に注目し、その熱処理組織の解析と組織制御による強度特性との関係を実験的に検証して明確化する。そして、疲労き裂形成過程から浸窒処理がどのように耐き裂形成に対して有効なのかを導き、浸炭焼入れや窒化を一部代替え可能な表面硬化部材の開発に寄与することを意図している。