项目标书摘要:本年度は、PEM/加工物(陽極)界面での電気化学反応の解明およびPEMSEPのイオン輸送によるPEM内部の状態評価を主な目的とした。電気化学測定および加工表面の化学組成分析を実施することにより、PEM/Cu(陽極)界面におけるイオン化反応および微細加工に適した電解条件を明らかにすることができた。また、nmレベルの微細パターン形成においても、電解条件を最適化することにより、最大70 nmの分解能でのパターン形成を達成した。さらに、形成したナノパターン上に再度マイクロパターンを形成することで、マイクロ・ナノ複合の階層構造を形成することにも成功した。高性能デバイスへの応用に向けて、金属材料の微細加工技術が必要とされている。本研究では、固体高分子電解質(PEM)を用いた全固相電気化学表面プロセス(PEMSEP)のメカニズムを解明し、nmレベルの微細パターン加工の確立を目指している。本年度は、PEM/加工物(陽極)界面での電気化学反応の解明およびPEMSEPのイオン輸送によるPEM内部の状態評価を目的として、Cuを加工材料とした電気化学測定および加工表面の化学組成分析を実施した。まず、電気化学測定の結果から、PEM/Cu(陽極)界面における各電位に対するイオン化反応が明らかとなり、微細加工に適した電解条件を見出すことができた。また、PEMの含水状態によるイオン輸送速度の差異も確認され、含水率の高い状態のPEMを用いることで、加工環境の湿度に影響されないロバストな加工プロセスを実現した。さらに、XPSおよびXAFSによる加工表面の化学組成分析から、PEMSEPによって加工されたCu表面はエッチングしていることが明らかとなった。また、nmレベルの微細パターン形成において、CuのPEMSEPにおける最適な電解条件をPEM/Cu(陽極)界面での電気化学反応の分析結果をもとに評価した。100 nmなどの微細パターンでは、加工条件が不適切な場合に過剰なエッチングが生じ、パターン分解能が低下することが確認された。そこで、電解時の総電荷量が高精度なパターン形成において重要なパラメータであることを見出し、電解条件を最適化することで、最大70 nmの分解能でのパターン形成を達成した。さらに、形成したナノパターン上に再度マイクロパターンを形成することで、マイクロ・ナノ複合の階層構造を形成することにも成功した。次年度は、PEM内部のイオン量とイオン輸送速度の関係について、PEM内部のイオン拡散やそのメカニズムを詳細に分析する。また、ナノパターンの多様化を図り、各パターンにおける最適な加工条件を確立する。形成したパターンのアプリケーションとして、PET基板上のCu薄膜にPEMSEPによりパターンを形成し、透明電極としての適用可能性を検討している。現在、透明電極としての特性評価として透過率および電気抵抗を測定した結果、高い透過率と低電気抵抗が確認され、PEMSEPによるCuパターンが透明電極として有望であることが示されている。加えて、Cu以外の金属を加工対象とした電気化学反応の違いやPEMSEPにより加工されたパターンのアプリケーションの開拓を行う。Reason:本年度は、PEM/加工物(陽極)界面での電気化学反応の解明およびPEMSEPのイオン輸送によるPEM内部の状態評価を主な目的とした。電気化学測定および加工表面の化学組成分析を実施することにより、PEM/Cu(陽極)界面におけるイオン化反応および微細加工に適した電解条件を明らかにすることができた。また、nmレベルの微細パターン形成においても、電解条件を最適化することにより、最大70 nmの分解能でのパターン形成を達成した。さらに、形成したナノパターン上に再度マイクロパターンを形成することで、マイクロ・ナノ複合の階層構造を形成することにも成功した。Outline of Research at the Start:従来の金属材料表面加工技術では、加工効率や環境負荷の課題がある。本研究では固体電解質のイオン輸送を用いた完全薬液フリーな微細加工プロセスのメカニズムを明らかにし、その結果による加工技術体系の構築を行う。この技術は、電気化学的加工で用いられる電解液を固体高分子電解質(PEM)に代替することで、電気化学反応を局所化し、高性能な表面加工が可能となる。この電気化学反応を深く理解し、より高性能な表面プロセスの開発を行う。